今回は日本橋にある三光稲荷神社(さんこういなりじんじゃ)の紹介です。こちらの神社のご利益はちょっと珍しいもので、猫がいなくなったときにお願いをすると無事に見つかるという、失せ猫探しのご利益があるとされています。
三光稲荷神社の御由緒
三光稲荷神社の始まりは、こういった言い伝えがあるそうです。
堺町(現在の日本橋付近の旧町名)にあった中村座に出演していた大阪の歌舞伎役者、関三十郎が演技しているとき、中村座の場内に霊光のような閃きがあったそうです。
その様は、まるで関三十郎の演技が光を放ったように見えたため、観客は関三十郎を賞賛し、彼の名声は不動のものとなりました。
関三十郎は庭内に伏見稲荷の神を祀っていることから、この賞賛は神の加護によるものだと考え、この稲荷神を、自分の名前の一部である「三」と、賞賛されるきっかけとなった霊光の「光」の文字をとって、三光稲荷と名付けました。
そして、この三光稲荷を長谷川町(現在の日本橋堀留2丁目)の大地主であった建石三蔵の庭内に安置し、町内の氏神として崇敬したといわれています。
また、当神社は、猫族守護神の神社としても崇められていて、猫を探している時に祈願すればご利益があるとされ、かつてはネズミ除けのお札も出していたそうです。
失せ猫のご利益についてはこのようなお話があります。
東大教授であり、日本十大発明家の一人である三島徳七と二三子ご夫妻が、愛猫が見つかるよう当神社に祈願したところ、三ヶ月後に無事に帰ってきました。
当神社の参道入口には「三光稲荷神社参道」と彫られた石碑がありますが、これは、愛猫が無事に帰ってきた御礼として三島ご夫妻が建立したものだそうです。
三光稲荷神社の御祭神・ご利益
御祭神
- 三光稲荷大神
- 田所稲荷大明神
御由緒に表記がありましたが、こちらの御祭神である三光稲荷大神は、関三十郎さんのオリジナル御祭神なんですね(他にふさわしい表現が思いつかない)。
自分の庭に奉っている御稲荷様に、自分で考えた名前を付けても良いのか…。
よし!将来、庭付き戸建住宅買ったら、庭に御稲荷様を奉って好きな名前つけようw
ご利益
御稲荷様を奉っているということで、五穀豊穣、商売繁盛等の様々なご利益が挙げられます。
また、何と言っても、失せ猫探しのご利益が注目ポイントですね。
三光稲荷神社の境内写真
こちらが三光稲荷神社への参道です。大通りから奥に入ったところに鎮座していますが、こういった看板、石碑があるので見つけられず通りすぎることはなさそうですね。
厳密にいうと鳥居…ではないですよね。でも一応、一礼して進みます。
御由緒にもあった、愛猫が無事に帰ってきたお礼に三島ご夫妻が建立したとされる石碑ですね。
石碑から10mほど進むと、三光稲荷神社の鳥居があります。
カッコイイ狛犬さんです。右の狛犬さんの口内が赤く、際立っていました。
そういえば、稲荷神社なのにお狐さんではなく狛犬さんなんですね。何か理由があるのかな…。
鳥居を一礼してくぐると、右側に手水鉢がありました。
ボタン式で、押すと岩から水がでてくるタイプですね。
こちらが三光稲荷神社の拝殿です。昭和39年に増改築されているそうなので、50年ほど経っていますね。
拝殿のすぐ横には何体も招き猫が置かれていました。
猫をさがす祈願のため、もしくは猫が見つかったお礼として奉納していく方がいらっしゃるんでしょうか。
御由緒書は箱に入っていて、1枚30円でいただけます。
A3用紙サイズで詳細に御由緒が書かれていて、読み応えありましたよ。
三光稲荷神社では、失せ猫が見つかるように祈願をしてくださいます。
御祈願や御朱印は、参道でてすぐの化粧品店オキナさんで受け付けています。
三光稲荷神社の御朱印
三光稲荷神社は普段は無人のようで、御朱印は参道から少し歩いたところにある化粧品店「オキナ」さんでお受けできます(300円)
こちらが、三光稲荷神社の御朱印です。書き置きタイプで、300円でお受けしました。
三光稲荷神社の所在地・アクセス
所在地 東京都中央区日本橋堀留町2-1-13
アクセス
- 東京メトロ日比谷線「人形町駅」から徒歩3分
- 都営地下鉄浅草線「人形町駅」から徒歩3分
東京日本橋、三光稲荷神社の紹介でした。
境内は比較的小さく、また、細い路地に入ったところにあるのであまり目立ちませんが、他の神社ではあまり聞いたことがない、失せ猫探しの御祈願を行っているちょっと珍しい神社です。
電車でのアクセスも良いので、日本橋に訪れた時はぜひ足を運んでみてはどうでしょうか?
私は日本橋七福神めぐりを行っている時に偶然みつけて参拝しましたが、日本橋七福神の対象のひとつである、椙森神社も道を渡ってすぐ近くにありますよ。