今回は南北朝時代の武将、新田義興公を御祭神として祀る、東京都大田区矢口の新田神社(にったじんじゃ)の紹介です!新田神社は破魔矢の発祥の地とされています。また、境内の大きなケヤキの御神木は病気平癒や若返りのご利益があるとされていますよ。
御由緒
新田神社は、室町時代、正平13年(1358年)の創建です。
新田神社の御祭神は新田義興(にったよしおき)公といい、鎌倉幕府を事実上滅亡に追い込んだとされる新田義貞(にったよしさだ)公の次男です。
お父さんの義貞公は歴史の教科書にも名前が載るぐらい有名な武将ですが、義興公も天皇を守るために戦い、どんな大群にも負けない、優れた武将です。大勢の敵が襲ってきても負けることはなかったそうですよ。
そんな義興公なので、敵の武士からしたらそりゃあ怖いですよね。「義興はんぱない」って感じでしょうw
普通に戦ったらまず勝てないので、敵の武将は卑怯な作戦を立て、義興公が乗った船を襲い、その船は沈み、義興公は死んでしまいました。
なお、この船が出航した場所は多摩川の「矢口の渡し」と呼ばれている場所です。
義興公が騙されて死んでしまった矢口では、不思議な事が起こりはじめました。
夜になると怪しい光が出現し、雷がたびたび落ちるようになったり、さらには義興公を裏切った武将は次々と義興公の怨霊に悩まされて狂死してしまったそうです。
その状況をみた村人は、義興公の祟りを鎮めるため、義興公の墳墓の前に神社を作ることとしました。
これが新田神社の御由緒です。
また、新田神社は破魔矢発祥の地ともなっています。
社殿の後ろには義興公のお墓と竹林がひろがっていますが、この竹は源氏の白旗を立てたものが根付いたもので、「旗竹」とよばれています。
江戸時代には、エレキテル(摩擦発電機)などを製作した平賀源内が、この竹で厄除招福・邪気退散の「矢守」を作り、御祭神の御神徳を広めていきました。
この矢守が、破魔矢の元祖となっています。
ちなみに平賀源内は、義興公のエピソードを歌舞伎「神霊矢口渡」というお芝居に書いており、それは今でも語り継がれているそうです。
矢守が先か神霊矢口渡が先かはわかりませんが、この2つは相乗効果でそれぞれの認知度、知名度が高まっていったんじゃないかなーと思います。
うーん、平賀源内…商売上手w
御祭神
御祭神の新田義興公は、「運を開き守り、幸せに導く霊験あらたかな神様」として崇敬されています。
参拝記録
鳥居
新田神社に到着!こちらが新田神社の鳥居です。
石造りの鳥居で、真新しい注連縄がかけられています。
社号標に掘られている文字には、金色で神社名が彩られていました。
御祭神の案内板も掲げられていました。わりと新しいもののようですね。
立てかけられている看板にはおみくじやお守りの案内が…。
アイマスだ!これは、東京都神社庁で2012年頃に発行されたパンフレットの絵柄のようです。
うーん、その頃は寺社巡りまだしてなかったもんなぁ…。パンフほしかった…。
境内
鳥居をくぐり、境内へ。
境内にはいると、すぐ目の前に立派なご神木があります。
先日の飛木稲荷神社といい、最近は立派なご神木ある神社への参拝が多いですね私。
御神木の少し先には手水舎があります。
手水鉢には新田氏の家紋が刻まれています。
こちらは、近隣にある氷川神社のお神輿、山車です。
氷川神社はこの地域の氏神様ですが、神輿庫の老朽化のため、新田神社の鎮座650年を迎えるにあたり、こちらに神輿庫をつくり、保管することとなったそうです。
多摩川七福神の恵比寿様も祀られています。
拝殿
そしてこちらが新田神社の拝殿です!
左右の狛犬の台座にも新田氏の家紋が刻まれていますね。
これでもかと言わんばかりの家紋の幕がかけられていますね。
もちろん賽銭箱にも家紋の飾りがあります。
拝殿の横には、破魔矢発祥の地ということで、巨大破魔矢のオブジェがw
御神木
参拝を終え、御神木をじっくりと眺めてみます。
樹齢は約700年で、近づいてみるとなおさら大きさに圧倒されますね。
御神木の周囲をぐるっと歩いてまわりながら、触れることもできます。
なお、この御神木は、健康長寿、病気平癒、若返りのご利益があると言い伝えがあります。
特徴的なのは、このぽっかりと空いた穴ですね。鳥や動物の巣になっていそうです。
江戸時代に落ちた落雷や、戦災によって大きく損傷を受けていますが、新緑の季節になると青々と葉を茂らせてくれるそうです。
さらに、この御神木には宿り木(やどりぎ)という珍しい植物が生息していて、春ころには黄色い小さい花が咲くそうです。
ちなみにこちらは、新田神社御神木マスコットキャラ(?)の蒲田さちこさんですw
稲荷社
境内には稲荷社も祀られていました。
こちらの稲荷社は、矢口周辺の農業の守護のために、江戸時代頃に京都の伏見稲荷神社の御分霊が祀られたものです。
お揃いのキツネの置物が祀られていましたが、社務所でお受けできるものなのでしょうか…(←社務所内で気づかなかった)
LOVE神社
新田神社の境内には、LOVE神社のオブジェがあります。
…って、LOVE神社ってなんだ…?
LOVE神社というは、多摩川アートラインプロジェクトの一環で、アートディレクターの浅葉克己先生が作製した彫刻で、ここで写真を撮ったカップルには幸せになってもらいたいという願いが込められているそうですよ。
LOVE神社のさらに奥には社務所があります。
お守りや御朱印はこちらでお受けできます。
社殿裏手
社殿の裏手にもまわってみました。
子供達が卓球楽しんでいたのであまり近づいて撮れませんでしたが、社殿の横には何故か石の卓球台がw
LOVE神社と同じく多摩川アートラインプロジェクトの一環で、近所の人々が楽しむ場所となることを願って作られたものだそうです。
ラケットや球は社務所で無料で貸してもらえるそうです(午後5時まで)。
社殿のすぐ後ろには円墳状の御塚(おつか)があり、こちらに御祭神の新田義興公の御遺体が埋葬されているそうです。
この御塚に立ち入ると必ず祟りがあるとされ、「荒山」、「迷い塚」とも呼ばれています。
この御塚後部に生える竹を使って、平賀源内は矢守を作ったんですね。
あれ、平賀源内は祟りは大丈夫だったんでしょうかね…?w
こちらは、「うなる狛犬」といわれる狛犬です。
こちらの狛犬、なんでうなる狛犬と呼ばれているかというと、義興公を騙した敵側の武士の一族やその血縁者が新田神社の付近に近づくと、きまって雨が降り、この狛犬がうなったそうです。なにそれ…すげぇこわい…。
この他にも、かつての鳥居に用いられていた石材や、
力石などがあります。
御朱印
こちらが新田神社でお受けできる御朱印です。
新田氏の家紋、破魔矢、LOVE神社など、新田神社の特徴てんこもりです!
所在地・アクセス
所在地 東京都大田区矢口1-21-23
アクセス
- 東急多摩川線「武蔵新田駅」から徒歩3分
以上、新田神社の紹介でした!
新田神社には、以前に多摩川七福神めぐりを巡拝した際にも参拝したことがありました。
その時は他の寺社もめぐらなきゃいけなかったし元日で混雑していたりでゆっくりと境内を見てまわれなかったんですが、今回はじっくりと堪能できました!
石の卓球台なんてまったく気づきませんでしたもんねw
前回の記事から1ヶ月ほど間が空いての更新でしたが、この期間中、仕事の繁忙期と検定試験が重なっててんやわんやでした…。
検定試験は、メンタルヘルスマネジメント検定のⅡ種です。これから自己採点してみよう…どうかなぁ…。
これからは落ち着いてきそうなので、更新頻度あげていきたいですね。
追記
メンタルヘルス・マネジメント検定、Ⅱ種、合格していました!