鶴岡八幡宮の境内に鎮座する、白旗神社(しらはたじんじゃ)の参拝記録です。こちらの白旗神社は尼将軍とよばれた北条政子により創建され、鎌倉幕府初代将軍の源頼朝命と、その子である3代将軍の源実朝命の2柱を御祭神として祀っています。さらに、白旗神社から鶴岡八幡宮若宮へ向かう途中にあるスポットも紹介します。
御由緒・御祭神
鶴岡八幡宮境内に鎮座するこちらの白旗神社の御祭神は、鎌倉幕府を開いた初代将軍の源頼朝命と、鎌倉幕府3代将軍の源実朝命です。
白旗神社は、正治2年(1200年)に、その前年に死去した源頼朝公が朝廷より白旗大明神の神号を賜ったことから、北条政子によって創建されました。
源実朝命も祀られているのは、かつては別々の場所に祀られていた2柱が合祀されたことが由来となっているようです。
現在の白旗神社の鎮座地はもともと、源実朝命を祀る柳営社が鎮座していました。
白旗神社ははじめ、鶴岡八幡宮上宮の西に鎮座していましたが、明治19年(1886年)に柳営社と合祀され現在地に鎮座するようになりました。
参拝記録
アクセス
白幡神社は、タイトル通りですが鶴岡八幡宮の境内に鎮座しています。
鶴岡八幡宮の第三の鳥居からまっすぐに進み、流鏑馬を行う通りまで進んだら右折するのが最もわかりやすいルートです。
でも、おススメの参拝コースは、第三の鳥居を迂回して、東鳥居をくぐって境内に入る参拝コースです。
東鳥居が白旗神社には一番近い鳥居になります。
さらにおススメな理由は、東鳥居すぐ近くには、畠山重忠邸址の石碑があります。
畠山重忠といえば、鎌倉殿の13人では中川大志さんが演じていますね。
鶴岡八幡宮は境内のみならず境内の周囲にも様々な史跡があるので、たまには真正面から参拝ではなく、いつもと異なる方法で参拝しても、新しい発見があって楽しいと思います!
東鳥居をくぐると、100mほどで白旗神社の鳥居に到着です。
さざれ石・旧鳥居の笠木
鳥居をくぐる前に、お向かいの源氏池側にも注目スポットがありました。
竹で組まれた玉垣の中には、国歌にも登場するさざれ石が置かれています。
さざれ石は、石灰石が雨水で溶解された際に生じた乳状液が小石を凝結して長い年月をかけて大きくなっていったものをいいます。
こちらのさざれ石は昭和56年(1981年)に鶴岡八幡宮に奉納されたものです。
そしてさざれ石の後ろには石でできた棒状のものが3つあります。
こちらは、かつての白旗神社の鳥居の笠木(鳥居の一番上の部分)とのこと。
これ、玉垣でしっかりと境界があるから大丈夫ですが、何も知らなかったら座る人絶対いますよね…。
鳥居・参道
こちらが白幡神社の鳥居です。
鳥居手前の、中央がくぼんだこちらの石は、おそらく旧鳥居の沓石(土台)だと思います。
鶴岡八幡宮のメイン参道に比べて、こちらは参拝者が少なめですね。
参道右手側にあるこちらの建物は鎌倉国宝館です。
鎌倉の神社仏閣に伝わる彫刻や絵画、考古資料の展示をはじめ、時期によりさまざまな特別展示を行っています。
こちらが手水舎です。
以前参拝した時は、とくに装飾されていなかった記憶がありますが、今回はきれいな花手水になっていました。
きれいすぎて、手水するのがはばかられるw
新型コロナの感染対策として柄杓が撤去されている今、あえてこういう方法で活用するのもアリなのかもしれないですね。
きれいな花手水も魅力的ですが、手水鉢の下部は蓮のようなデザインになっていました。
蓮と言えば仏教のイメージが強いですが、神社である鶴岡八幡宮・白旗神社で使用されている理由は、鶴岡八幡宮は当初は神と仏の両方を祀る神宮寺だったためです。
明治時代の廃仏毀釈が行われてからは現在まで続く神社となりましたが、それまでは仏教的な建物や建造物も多くあったそうです。
社殿
こちらが白旗神社の社殿です。
門は基本的に閉まっていて、通常は社殿に近づくことはできないようです。
鶴岡八幡宮の朱色を基調とした社殿と異なり、こちらの社殿は黒を基調としてところどころにアクセントとして金色や赤色が入っています。
シンプルな感想としては、この社殿カッコいい…!
破風(屋根の飾り)に金色の細工がありますが、こちらは笹竜胆(ささりんどう)の紋で、源頼朝公の家紋といわれています。
また、鎌倉市の市章も笹竜胆がモチーフとなっています。
私、社殿に掲げられた扁額を見るのが好きなんですが、なんとかアップで撮ってみました。
扁額には、武衛殿(ぶえいでん)と書かれているようです。
鎌倉殿の13人で、源頼朝公は武衛とも呼ばれていますね。
武衛とは中国の官位の1つで、日本の官位に当てはめた場合、ざっくりいうと将軍という意味合いになります。
なので、鎌倉幕府の将軍を祀る社殿ということを示しているんですね。
こちらは賽銭箱ですが、刻印されている紋はニ引両という2本線のものです。
これは足利氏の家紋とされていますが、なぜ源氏の御祭神を祀る白旗神社でつかわれているんでしょうか…?
鶴亀石・由比若宮遥拝所
白旗神社の社殿向かって左側の道を進んでみます。
こちらに進むと、鶴岡八幡宮の若宮正面へ出ることができます。
こちらの石碑は、大銀杏の下で非業の死を遂げた源実朝を悼んで、俳人の裸馬が詠んだ歌が刻まれています。
「歌あはれ その人あはれ 実朝忌」
こちらにある2つの石は鶴亀石といって、水でこの石を洗うと鶴亀の紋様が現れるそうです。
さすがに試したらマズイと思うので見るだけにしましょうね。
由比若宮遥拝所
こちらは、由比若宮遥拝所です。
由比若宮とは元八幡とも呼ばれ、源頼朝公が鶴岡八幡宮を現在のこの地に遷座する前の、もともとの鎮座地のことを言います。
現在も由比若宮神社として社殿があり、この遥拝所はその方角を向いているようです。
柏槙
神池にかかる橋を渡ると、大きな柏槙(びゃくしん)の木が現れます。
こちらの大きな木は柏槙(びゃくしん)の木で、源実朝公が植えた木とされています。
そして、鶴岡八幡宮の若宮へたどり着きます。
御朱印
白旗神社の御朱印は普段はお受けできないようです。
しかし、正月期間限定でお受けできるという情報もあります!
所在地等(鶴岡八幡宮と同じ)
所在地 神奈川県鎌倉市雪ノ下2-1-31
アクセス他
- JR横須賀線・湘南新宿ライン「鎌倉駅」から徒歩10分
- 江ノ電「鎌倉駅」から徒歩10分
- 駐車場あり
- 電話番号 0467-22-0315