関東三大不動の1つに数えられる、東京都日野市の金剛寺高幡不動尊(こんごうじたかはたふどうそん)を参拝しました。高幡不動尊の不動明王像は丈六不動明王像と呼ばれる巨大な像で見るものを圧倒します!また、高幡不動尊は新選組の副長、土方歳三とも関りがあり、銅像や新選組に関する書物・道具の展示もあり、新選組ファンにもおススメの寺院です。
御由緒
高幡不動尊こと、高幡山明王院金剛寺の始まりは、大宝年間(701~704年)以前、あるいは奈良時代の仏教僧の行基が創立したとも伝えられています。
また、高幡不動尊と呼ばれるようになったのは、平安時代初期に慈覚大師円仁が清和天皇の勅命によって山中に不動堂を建立し、不動明王を安置したことが由来となっています。
なお、高幡不動尊は、関東三大不動の1つに数えられています。
一般的には、千葉県成田市の成田山新勝寺と、今回紹介する高幡不動こと高幡山明王院金剛寺がトップ2で、3位はう~ん、どうやら諸説あるようです。
3位が諸説あるのは、三大○○○あるあるですねw
室町時代の高幡不動尊は、汗かき不動と呼ばれて鎌倉公方をはじめとする戦国武将の尊崇を集めていました。
江戸時代になると、関東でも有数の僧侶養成機関となり、また、防火の不動尊として庶民の信仰されるようになりました。
安永8年(1779年)には業火により大日堂をはじめ多くの建物が焼失してしまいますが、徐々に復興を進め、昭和50年代以降には五重塔や大日堂等の工事が続き、焼失前を凌ぐほどとなりました。
宗派
- 宗派 真言宗智山派別格本山
- 山号 高幡山
- 御本尊 不動明王
土方歳三と高幡不動尊
幕末に活躍した治安維持部隊、新選組は人気がありますね。
特に近藤勇、土方歳三、沖田総司は新選組を題材にしたアニメや漫画、ゲームでもよく登場しています。
高幡不動尊には、土方歳三の銅像や、新選組隊士の慰霊碑があり、奥殿では新選組に関する資料が展示されています。
新選組が主に活動していたのは京都ですが、なぜ東京日野の高幡不動尊に銅像や資料が展示されているかというと、土方歳三がここ日野の旧家の生まれで、高幡不動尊の檀家の中でも有力な家だったためです。
参拝記録
アクセス
私は今回は、京王線の高幡不動駅からスタートしました。
多摩都市モノレールにも高幡不動駅がありますが、両駅は隣接しているので、お住まいからアクセスしやすい路線でどうぞ!
でも、微々たる差ですが京王線の改札のほうが参道には100mぐらい近いみたいですね。
参道
南口の階段を降りるとすぐに参道が見えてきます。
参道というよりも、商店街といった感じですね。
正面に見えているのは、高幡不動尊の仁王門ですね。
参道には土方歳三と近藤勇が描かれたシャッターがありました!
朝早い時間だったので、1階の店舗が開いてなかったから見れたんでしょうか?
それならラッキーでしたね!
このシャッターのある建物の3階は池田屋といって、新選組グッズ専門店のようです。
池田屋という店名は、幕末に京都で発生した新選組による尊攘派襲撃事件がおきたのが池田屋という旅館だったので、そこからとっているんでしょうね。
仁王門
仁王門は、参道を進んだ先の大通りを渡ったところにあります。
歴史を感じる、重厚感のある仁王門ですね。
なんとこちらの仁王門は、室町時代の建立で重要文化財になっているとのこと!
もともと楼門として建立されていましたが途中で計画変更となり、楼上(2階部分)の主要部分を覆うように屋根がかけられていましたが、昭和34年の修理の際に、楼門となるよう復元されたそうです。
昭和34年以前は、2階部分は存在していたものの、外からは見えなかったということですね。
楼門をくぐると、正面にすぐ不動堂があります。
右側の建物は、お札所です。
手水の吐水口は蓮の花のような形でした。
コロナ禍なので柄杓は撤去され、鉢の外に水が流れ出るように竹で加工されています。
毎度毎度思いますが、できるだけ早くコロナ禍が収束して以前のように参拝できるようになるといいですよね。
不動堂
こちらが高幡不動尊の不動堂です!
御由緒部分でも紹介していますが、こちらの不動堂は慈覚大師円仁が平安時代に山中に建立したもので、建武2年(1335年)に暴風雨により倒壊したので、康永元年(1342年)に現在の場所に移設されました。
このように歴史のある不動堂は、東京都では最古の文化財建造物で、仁王門と同様に重要文化財に指定されています。
不動堂内部には、平成9年(1997年)に造られた新丈六不動明王像が祀られています。
こちらは、重要文化財である丈六不動明王を修理する際に身代わりの本尊として造られたもので、丈六不動明王にそろえるように平安時代の様式を継承しています。
参拝当日は工事中で、鉄管やフェンスが張られていてちょっと残念…
土方歳三像
不動堂の左には、土方歳三の像をはじめ、新選組に関する石碑がありました。
凛々しい顔つきでカッコいいですねぇ…。
アニメやゲームでも、土方歳三をモチーフにしたキャラクターが多く存在し、そのほとんどがカッコいいデザインになってますが、新選組副長も務めていてこんなカッコよければそりゃあ人気もでますわ…。
某漫画では重度のマヨラーですが大人気ですよねw
土方歳三像の奥には、福徳弁財天を祀る弁天堂があります。
奥殿
不動堂の先にあるこちらの建物は、奥殿です。
扉の奥をのぞき込むと、重要文化財であり古来日本一の不動明王像と称えられている、丈六不動明王を見ることができます!
高幡不動尊公式HPより
奥殿に祀られている、丈六不動明王像はこのようなお姿です!
造られたのは、11世紀末頃と考えられていて、材質は頭部と体部が桧、膝部が榧(かや)、像の高さは285.8cmで、背部の火炎光背は419.8cm、総重量はなんと1,100kgを超えるそうです。
ちなみに丈六(じょうろく)というのは1丈六尺のことで、お釈迦様の身長がそれぐらいあったとされ、仏像の大きさの単位として基準となるものです。
お釈迦様は、一般人の2~3倍の身長があったとされています。でけぇ…。
1丈六尺というと、だいたい4.8mになるので、座像になるとこちらの不動明王像のように約2.8mの仏像になりますね。
そんな立派な不動明王像、扉越しではなく間近でみることができます!
実は、こちらの奥殿は展示室となっていて、300円で拝観できます。
私ももちろん拝観しましたが、ガラス扉越しではなくやっぱり間近でみたほうが格別ですね。ずっと眺めていたいぐらいでした。
丈六不動明王像の他にも、新選組に関する書物や道具も展示されていますので、新選組ファンの方にもおススメです。
奥殿内部の拝観は、午前9時から午後4時までで、月曜日が休館日となっています。
なお、撮影は禁止です。
五重塔
境内で一番目を引く、五重塔に行ってみます。
こちらの五重塔は、塔の高さが39.8m、てっぺんまでは45mで、満5年の歳月をかけて竣工したそうです。
御由緒によると昭和50年以降に五重塔等を建立したということなので、完成して40年ぐらいでしょうか。
五重塔の地下は、千体地蔵堂と、休憩所になっていました。
千体地蔵は、このような形の小さなお地蔵様でした。
檀信徒三千人の方々が祈願をこめて納められたもので、地蔵像は日野市在住の陶芸家、渋谷太郎先生が作成したものとのこと。
弘法大師様の座像も安置されていました。
大日堂
境内の最奥にある、大日堂に向かいます。
山門がありましたが、これは、奥の茶室知床庵への門のようですね。
立派な仁王門があるし、2つも山門要らんだろと思ったんですがw
山門の右側にひっそりとお社があり、こちらは五部権現社といいます。
由緒書きによると、高幡不動尊の境内鎮守として、源頼義が八幡社を勧請したそうです。
こちらが大日堂で、実はこの大日堂が高幡不動の総本堂となっていて、数多くの尊像が安置されているそうです。
昭和62年(1987年)に改修工事が完了し、鎌倉時代の様式に復元されました。
山内八十八ケ所巡拝
高幡不動の境内には、山内八十八ケ所めぐりという、四国八十八ケ所、お遍路さんを模したスポットがありました。
巡拝コースは初夏にはアジサイ、9月中旬には彼岸花が楽しめるコースとなっています。
巡拝コースには境内の階段から入ることができます。
階段の先には大師様の像がありますが、実はこちらが88番目の札所なんですね。
今回は私は八十八ケ所めぐりはせず、アジサイをまったりと楽しんできました。
彼岸花の時期に再訪して、ゆっくりと散策したいなと思います。
巡拝コースには、山アジサイという種類のアジサイも咲いています。
山アジサイというのは、野生のアジサイで、普通のアジサイよりも花が小さく可憐な品種です。
こういった小さい花が咲くのが山アジサイです。
迫力のあるアジサイも見ごたえがありますが、可憐な山アジサイもなかなか良いですね。
ちなみに参拝したのが6月下旬だったので、どうやら山アジサイの見ごろは少し過ぎてしまっていたようです。
御朱印
高幡不動尊の御朱印はこちらです。
今回は、関東三十六不動霊場巡り版の御朱印で、専用のファイルに閉じこむタイプをいただきました。
御朱印所は、午前9時から午後4時まで開いています。
所在地・アクセス
所在地 東京都日野市高幡733
アクセス
- 京王線「高幡不動駅」から徒歩5分
- 多摩都市モノレール「高幡不動駅」から徒歩5分
- 駐車場有(近隣に有料駐車場も有り)
- 電話番号 042-591-0032
- トイレ有