東京都千代田区の靖国神社(やすくにじんじゃ)の紹介です。靖国神社は日本の未来のために尊い命を捧げた英霊を奉る神社です。また、東京都の桜の名所としても有名で、令和3年の春、桜の見頃の時期に参拝した様子を紹介していきます。
御祭神・御由緒
国のために命を捧げた英霊
毎年8月の終戦の日が近づくとテレビやネットのニュースで話題にあがるので、知らない方は少ないかと思いますが、靖国神社の御祭神は、過去の戦争で日本のために命を捧げた人々(英霊)を祀る神社です。
ただ、私も寺社巡りに興味を持つまで勘違いしていた部分だったんですが、御祭神として祀られているのは第二次世界大戦で戦死された日本兵だけではないんです。
靖国神社の御祭神は、明治維新の大事業を遂行するために起きた戊辰戦争、佐賀の乱、西南戦争といった国内の戦いで命を落とされた方々をはじめとして、日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦、満州事変、志那事変、大東亜戦争(第二次世界大戦)などの戦いに際し、日本を守るために尊い命を捧げられた方々の神霊が祀られています。
その数は、246万6千余りにものぼるとされています。
この、命を捧げた方々の中には、軍人だけではなく、戦場での救護活動を行った看護婦、女学生、軍需工場の学徒など、民間の方々も数多く含まれています。
さらに、当時日本人として戦って亡くなった台湾・朝鮮半島出身者やシベリア抑留中に死亡した軍人、大東亜戦争終結時にいわゆる戦争犯罪人として処刑された方々も同様に、靖国神社に祀られています。
このように様々な時代の、様々な立場の方々が平等に祀られていますが、祖国を守るという公務によって亡くなられた方々という点が共通していますね。
明治天皇による創建
このように、日本のために命を捧げた様々な立場の英霊を祀る靖国神社は、創建は明治2年(1869)年、明治天皇の思し召しによって建てられました。
当初は靖国神社という社名ではなく、招魂社と呼ばれていました。
明治天皇は、国家のために命を捧げられたこれらの人々の名を後世に伝え、その御霊を慰めるために招魂社を創建されました。
招魂社から靖国神社に社号が改められたのは明治12年(1879年)6月4日で、社格は別格官幣社に列せられました。
靖国神社という社号に命名されたのも明治天皇で、「国を靖(安)んずる」という意味があり、靖国神社には「祖国を平安にする」、「平和な国家を建設する」という願いが込められています。
戦争犯罪人とは
御由緒で示したように、靖国神社には大東亜戦争の際にいわゆる戦争犯罪人とされた方々も祀られています。
とくに終戦の日頃のテレビ番組ではA級戦犯という言葉がよく報道されていますが、このアルファベットのつけ方は、罪の重さによって決められたものではなく、区分を分けているだけです。
- A級は「平和に対する罪」として、戦争を起こす行為や国際条約違反
- B級は「通例の戦争犯罪」として、一般人の殺害や虐待、略奪、破壊
- C級は「人道に対する罪」として、一般人の奴隷化、迫害
となっていて、日本的な表し方だと、イ・ロ・ハを用いたほうが適当だと思います。
また、この等級のつけ方や罪状も、戦勝国である連合国側によって、日本を有罪にするために起こした東京裁判によってつけられたもので、当時の国際法に、A級の「平和に対する罪」は無い罪状だったようです。
戦争に敗れるというのは、こういうことなんですね…。
また、昭和28年の国会で、戦犯の赦免・名誉回復が全会一致で決議されています。
首相の靖国参拝
戦争犯罪人についての番組と合わせてニュースで話題になるのは、首相が靖国神社に参拝するかどうかですね。
首相の靖国参拝は、某近隣国からすると、戦争犯罪人を英霊として祀る靖国神社に日本の政治家のトップが参拝することは戦争美化だ侵略を肯定する行為だ、という認識なのでしょう。
安倍元総理も在任期間中は参拝できず、辞任してからは何度か参拝されているようですね。
もともと私も、何が問題なんだろう?と思っていたんですが、今回文章でまとめていて改めて、参拝しても何も問題ないんじゃないか?と感じています。
日本を守るために命を捧げた英霊に感謝し、平和を誓うことは自然なことじゃないでしょうか?
むしろ、政治家のトップが他国に気を使って行けない場所が国内にあることのほうが問題だと思います。
諸外国でも、国のトップが軍人墓地に行くのは普通のようですし、日本国内の事を他国が干渉してくるのって、内政干渉じゃないでしょうか?
しかも、首相だけじゃなく、人気声優の茅野愛衣さんも、ご自身のラジオ番組で靖国神社に参拝したことを話したら、某近隣国のファン(?)からネットで叩かれて炎上騒動になる始末…。某近隣国でも、茅野愛衣さんは人気声優なのだそうです。
この件で見つけた、クジラ君さんのツイートを貼付します。
茅野愛衣さんのアカウントにたくさんの長文メッセージが送られてきたようです。
— クジラ君 (@kujira__kun) February 13, 2021
いいじゃないですか、靖国神社は日本国内で誰でも普通に参拝できる神社ですよ?
まったく、どういうことなんでしょうね…!
かやのん何も悪くないよ!かやのん大好きだよ!←突然の告白
参拝記録
御祭神、御由緒、取り巻く諸問題等触れてきましたが、私は政治家でも有名人でもなく一般人なので、普通に参拝、英霊に感謝してまいります。
もちろん、今後有名人になったとしても普通に参拝しますけどね!
アクセス
では、靖国神社へのアクセス方法から紹介していきます!
靖国神社は東京千代田区の都心に鎮座していて、JR線や東京メトロなど多くのルートでアクセスできますが、巨大な第一鳥居まで一番近いのは東京メトロの九段下駅です。
九段下駅の1番出口からでるとすぐに第一鳥居が見えてきます。
大鳥居(第一鳥居)
こちらが靖国神社の第一鳥居、大鳥居です。
下を歩いている人と比べていただけるとわかりますが、かなりの大きさですね。
こちらの大鳥居は昭和49年(1974)年に再建されたもので、高さはなんと25mもあります!
再建前の大鳥居も同じく巨大なもので、「空をつくよな大鳥居」と歌われて親しまれていたそうです。
社号標も立派だなぁ…。
大村益次郎銅像
大鳥居をくぐり、進んでいきます。
ちなみに今回は早朝参拝で、時刻は7時半頃です。
まだ参拝者は少なくてスッキリと参拝できますね、早朝参拝最高!
参道の桜も満開ですね、今回の参拝は靖国神社の桜を楽しみにしていたんです。
参拝した令和3年の春は、新型コロナへの感染予防方法がある程度確立されてきたので、無事に参拝できました。
昨年令和2年は新型コロナがまだ謎のウイルス感が強く、しかもちょうど感染拡大した時期で、外出全くできませんでしたからね。
参道の中央に立つこちらの巨大な銅像は、近代日本陸軍の創設者であり、靖国神社の創建に尽力した、大村益次郎の銅像です。
大村益次郎の銅像は、明治26年(1893年)に、日本最初の西洋式銅像として建てられたものです。
案内の銅板には、大村益次郎の功績や、銅像制作についての歴史、明治29年(1896)年の靖国神社境内の様子が記されています。
第二鳥居・神門
さらに参道を進んでいくと、神社直営の販売所(SAKURA)、2つの飲食店(靖国八千代食堂、アティックルーム靖国外苑)が入っている休憩所があります。
こちらは、令和元年10月にできた新しいスポットです。
靖国神社の手水舎はこちらです。
こちらの大きな手水盤は花崗岩でできていて、なんと重さは18トン以上!
新型コロナ対策のため他の神社同様に柄杓は無く、竹筒から水が出るよう加工されています。
こちらの神門は、昭和9年(1934年)に建てられたものです。
神門もかなりの大きさですねぇ。
扉には、直径1.5m程の菊の紋章が取り付けられていました。
神門をぬけると、正面に拝殿が見えてきます。
靖国神社の桜
神門をぬけた先には、桜園が広がっています!
靖国神社は桜の名所として有名ですからね。
どっちを向いてもとても鮮やかな景色で、この時期に参拝できてよかった!
桜ってやっぱり見てると心が和らぎますね。
日本の象徴、日本の心ですよねぇ…。
靖国神社の境内にはソメイヨシノやヤマザクラなどの品種の桜があり、境内全体で500本ほどにものぼるそうです。
なお、靖国神社の桜は、靖国神社の前身である招魂社が創建された翌年にこの地に植えられた桜が始まりといわれています。
境内の桜の中には、寄贈者が書かれたプレートが掲げられたものもあり、戦没者の遺族や共に戦った仲間が寄贈したもののようです。
また、靖国神社には、桜の標本木があります。
標本木とは、その地域の気象台が桜の開花宣言の目安とする木で、ニュースで毎年伝えられる「東京の桜が開花しました」というのは、靖国神社のこの標本木が開花したことをいいます。
中門鳥居
拝殿の手前、こちらは中門(ちゅうもん)鳥居といって、平成18年(2006年)に建て替えられたものです。
中門鳥居という名称は、昭和50年(1975年)以前は、ここに門があったことに由来しているそうです。
拝殿
中門鳥居のすぐ先、靖国神社の拝殿はこちらです!
英霊を祀る靖国神社ですので、個人的なお願いなんかしないで、平和への感謝を奉げました。
こちらの拝殿は、明治34年(1901年)に建てられたものです。
正面からは見ることはできませんが、拝殿の後ろには本殿(明治5年建立)と、霊璽簿奉安殿(昭和47年建立)があります。
霊璽簿とは御霊が合祀される際にお名前が記されるもので、霊璽簿奉安殿には、その霊璽簿が納められています。
また、写真がやたらとナナメからのものになっていますが、靖国神社の拝殿は正面からの撮影はNGです(中門鳥居よりも後ろからなら良いとのこと)。
遊就館
遊就館は、靖国神社に祀られている英霊の遺品や、幕末以降の戦争の記録、諸外国との関係等といった貴重な資料が展示されています。
私は靖国神社には何度か参拝したことがあったのですが、今回初めて遊就館に入ってみました。
初めて入った自分が言うのもなんですが、靖国神社に参拝した際にはぜひとも訪れていただきたいと思いました。
学校で習った戦争の歴史と、違った印象を受けることもあるかもしれませんね。
神池庭園
遊就館からさらに奥へ進んでいきます。
進んだ先には神池公園があり、この周辺も桜が楽しめるスポットになっていました!
水面に映る桜やその他の樹木が美しいですね。
社殿手前の桜園よりも若干混雑していない印象なので、人混みを避けたい方もこちらがおススメです。
御朱印
こちらが靖国神社の御朱印です。
御朱印は、拝殿向かって右側の参集殿でいただけました。
所在地等
所在地 東京都千代田区九段北3-1-1
アクセス他
- 地下鉄「九段下駅出口1」から徒歩5分
- JR線・地下鉄「飯田橋駅」から徒歩10分
- JR線・地下鉄「市ヶ谷駅」から徒歩10分
- 駐車場あり
- 電話番号 03-3261-8326