今回は東京都日本橋にある出世稲荷神社(しゅっせいなりじんじゃ)の紹介です。日本橋七福神めぐりをしている際に偶然見つけた神社で、「え、こんなところに!?」という、一風変わった場所にある神社です。しかしながら、初代市川團十郎が毎日お参りしたという言い伝えが残る、由緒ある神社でした。
出世稲荷神社の御由緒
当社は、元和3年(1617年)、北条家の浪人だった庄司甚右衛ほか数名の仮家敷内に、京都伏見稲荷の御祭神を分霊して祀ったことが始まりです。
明暦3年(1657年)の江戸大火、1854年に起きた安政の大地震、明治6年(1873年)の大火、大正12年(1923年)の関東大震災、さらには昭和の太平洋戦争といった数々の災害にみまわれましたが、本尊への被害をまぬがれています。
関東大震災の際に社殿は一度焼失しましたが、現在の社殿は、近隣に鎮座する椙森神社の拝殿を取り壊した際の杉材を削り直し、昭和6年(1931年)に落成したものです。
出世稲荷神社という神社名についてですが、これは江戸時代、歌舞伎役者の初代市川團十郎が毎日参拝し、名をあげたことに由来するようです。
そのエピソードから、商店、芸能関係者が出世祈願によく訪れるそうです。
出世稲荷神社の御祭神・ご利益
御祭神
出世稲荷神社の御祭神は、京都の伏見稲荷より分霊した、宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)です。
ご利益
御祭神の宇迦之御魂大神は五穀豊穣の神です。
また、当社は御由緒にもあるように、初代市川團十郎が毎日参拝し名をあげたことから、出世ご利益もあるとされます。
出世稲荷神社の境内写真
では、出世稲荷神社の参拝スタートです。
日本橋七福神めぐりで椙森神社へ向かう途中、路地を少し入ったところに赤いノボリがひらひらしているのを見つけました。
最初は「中華料理屋さんか何かかな」と思ったんですが、近づいてみると神社のノボリでしたw
ここで偶然見つけたのも何かの縁ですね、参拝してみましょう!
こちらが出世稲荷神社の入り口です。言わば、参道?
参道にはマンションの住人さんたちの自転車が並んでいます。
これ、普通は「マンション関係者以外の立ち入りを禁止します」とか注意書きがあってもおかしくない雰囲気ですよねぇ…。
でもここは出世稲荷の参道です、そのハズです。勇気をだして、自転車を倒さないように進んで行きましょう。
入り口から10mほどでしょうか。進んでいくと鳥居が見えてきました。
途中、防犯用のライトに威嚇されます。けっこう激しく点滅しましたw
鳥居前に到着です。乾燥機、洗濯機の存在感…。
正面の手水鉢です。は組の文字が彫られていますね。
鳥居入って右側に社殿があります。
社殿の中は灯りがともり、覗き込むと中がはっきりと見えました。
扉を開けることは出来ないようなので、お賽銭は向かって右の賽銭口から納める方法となります。
なお、出世稲荷神社は、岩代稲荷神社という別の神社と一緒に祀られているようですね。
木遣り塚がありました。
木遣り塚は、城の普請の際に唄われ始めた木遣節を讃えるための塚です。
また乾燥機と洗濯機がw
参拝を済ませ、変わったところにある神社だったなぁと思いながらもと来た道へ戻ったところ、御由緒書きを発見しました。
出世稲荷神社の御朱印
出世稲荷神社の御朱印は、おそらくお受けできないんじゃないかなーと思います。
受け方がわからないです…。
出世稲荷神社の所在地・アクセス
所在地 東京都中央区日本橋1-6-11
アクセス
- 東京メトロ日比谷線「人形町駅」から徒歩5分
- 都営浅草線「人形町駅」から徒歩5分
人形町駅や、その他の近隣の地下鉄駅からは距離的にはアクセスしやすいんですが、なにぶん見つけづらい位置にあります。
私も、もう一回いけと言われたら、すぐ見つけられる自信がないですw
東京都中央区日本橋、出世稲荷神社の紹介でした!
日本橋七福神めぐり巡拝コースの松島神社も、マンションの1階に奥まって鎮座している、ちょっと変わった場所にある神社だったのですが、こちらの神社はそれ以上に変わった場所にある神社でしたね。ノボリが無いと絶対気づかないです。
しかし、場所はともかくとして、初代市川團十郎との縁のある神社であったりして、とても興味深い神社でした。
参拝当日は、七福神めぐりの巡拝ルートの神社しか下調べしていかなかったのですが、日本橋周辺は神社・お寺がとても多いので、こういった偶然の発見があるのが面白いですね。