東京都墨田区に伝わる、「本所七不思議」が発生したとされるエリアを紹介していきます。。本所七不思議は、かつてこの地域でおきた不思議な現象や習慣をまとめたもので、有名なものは9つあります。また、ゲーム「パラノマサイト」もプレイしたので、その熱気もさめやらぬまま、探索してみました!
本所七不思議とは
本所七不思議について、ざっくりと紹介していきます。
本所とは、現在の東京都墨田区の錦糸町、両国、押上の地域のことを言います。
この地域はかつては職人が多く住む下町でしたが、江戸の大半を焼いたといわれる明暦の大火を機に開発が進み、両国橋がかかってからは、繁華街として急激に発展しました。
そんな本所で目撃された数々の怪奇現象が本所七不思議です。
七不思議とはいいますが、実は数え方に諸説あり、とくに有名な怪奇現象は9つ存在しています。
それぞれの怪奇現象については、探索レポートに合わせてそれぞれ紹介していきますね。
パラノマサイト
じつは、本所七不思議を知ったのは、ワイフがプレイしていたゲーム「パラノマサイト File23」というゲームがきっかけでした。
こちらのゲーム、謎解きホラーゲームなのですが、ワイフに進められて私もプレイして大ハマリ!
ホラーやオカルト、都市伝説、民間伝承等々の類は大好物ですからね私。
しかも、私の大好きな、月刊誌ムーともタイアップしている冊子まで配布されている!
これは、実際に探索に行くしかないじゃないですか~!
というわけで、七不思議のそれぞれの発生地とされている場所とともに、ゲームで使用されていた場所やオススメスポットを紹介していきますね。
墨田区の観光案内サイトでは、ムーとコラボした冊子の配布場所や、冊子の画像データを確認できます。
探索前にぜひ確認してくださいね。
探索記録
錦糸町駅からスタート
私は、本所七不思議探索はJR錦糸町駅から開始しました。
開始地点は錦糸町駅または両国駅のどちらかがオススメです。
錦糸町駅には、本所七不思議の紹介が書かれている、七不思議喫煙所があります。
喫煙所の壁面に書かれている紹介文は、一見の価値あり!
ただ、喫煙所なので周りが煙たいのと、透明プレートの壁面なのでじっくり見てると中にいる利用者と眼があってしまうのが難点…。
1、錦糸堀公園
錦糸堀公園は、七不思議のひとつ、置いてけ堀の発生地域とされています。
置いてけ堀は、町人が釣りを楽しんで帰路につこうとしたところ、お堀の中から、おいてけ…、おいてけ…、という声が聞こえ、ぞっとして魚籠を見てみると釣ったはずの魚が1匹残らず消えていたという怪奇現象です。
これは一説には狸か河童の仕業ではないかといわれています。
ちなみにこの置いてけ堀が、置き去りにするという意味で使われる言葉の、置いてけぼりの由来になっています。
錦糸堀公園は、子どもたちが遊び、喫煙者が一服するゆったりとした公園です。
公園入口には、置いてけ堀の紹介立て看板と河童の石像があります。
河童といえば怪奇現象に度々登場し、見た目の印象も様々ですが、この河童の石像はかわいいですね。
寄り道・人形焼の山田家
本所七不思議探索するのなら、こちらの人形焼山田家さんも要チェックです。
山田家さんでは、置いてけ堀を由来とする狸の形の人形焼が販売されています。
中に入っていたチラシには、本所七不思議の紹介も載っていました。
私が行った2023年12月時点では、墨田区・ムー、パラノマサイトがコラボした、新聞風のチラシが貼られていました。
2、江東橋付近
江東橋付近は、送り拍子木の発生地点とされています。
送り拍子木は次のような現象です。
夜回りの男が拍子木を鳴らしながら巡回していると、後ろから同じように拍子木を鳴らす音が聞こえました。
しかし、振り返っても誰もおらず、ただ、暗闇からカチカチと拍子木を鳴らす音だけがきこえてくる…というものです。
こちらも、狸の仕業ではないかといわれています。
うーん、昔の人、狸と河童のせいにしすぎでは?w
こちらが江東橋付近の様子です。
この地域はいくつも川が流れていますが、川に足場を施工して運動場や公園のように有効活用しています。
3、亀沢四丁目付近
亀沢四丁目付近は、足洗い屋敷の発生地域といわれています。
足洗い屋敷は、旗本のお屋敷で、夜毎に天井を突き破って血まみれの巨大な男の足が下がってくるという現象です。え…こわ…。
これは、その足を洗うと引っ込んでくれるそうなのですが、毎晩のことなので嫌になり、引っ越したらその新居では発生しなかったそうです。
寄り道・法恩寺橋
次の怪奇現象発生場所に向かう途中の法恩寺橋は、パラノマサイトではプロタンとマダムが一緒にいるシーンがあり、こちらも記念に貼っておきますね。
4、法恩寺付近
現在ではスカイツリーもよく見える、法恩寺付近は、送り提灯の発生地点といわれています。
夜道を歩いていると、行き先に提灯の灯りがみえたので近づいてみても、近づいていくと消えてしまい、その少し先にまた灯りがともる…。
灯っては消え灯っては消えを繰り返し、決して追いつくことはできなかった、というのが、現象が送り提灯の現象です。
寄り道、横川橋付近
こちらの橋に隣接した大横川親水公園には、本所七不思議のレリーフが壁に飾られています。
本所七不思議は、記載されている媒体によって、名称や発生した怪異の内容が若干異なっていますね。
5、東駒形三丁目付近
東駒形三丁目付近では、馬鹿囃子という現象が発生したと云われています。
馬鹿囃子は、夜中にどこからともなく祭り囃子ような太鼓の音が聞こえてきます。
興味を持って音のする方に近づきますが、今度は別の方向から音が聞こえてきて、一向に近づくことができなかった、という現象です。
これも案の定、狸の仕業とされています。
なお、この写真は東駒形二丁目の写真です。
三丁目付近はどうやら撮影できていなかったようで…。
実際の三丁目は、本所中学校の周辺になります。
寄り道・喫茶フローラ
こちらは喫茶フローラという老舗の喫茶店です。
この喫茶フローラは、パラノマサイトのゲーム中に登場する「黒桔梗」という喫茶店のモデルとなっています。
噂では、パラノマサイトファンの聖地になっていて、週末には多くのファンが来店しているそうですよ。
私が通った際は休業日だったのか、まだ営業開始前だったのかはわからないのですが、営業していませんでした…。
今度営業時間や曜日をよく調べてから訪れてみようと思います。
6、緑町公園
緑町公園周辺は、津軽の太鼓の逸話が残されています。
これは、不思議な現象が発生したというものではなく、理由が誰もわからないので七不思議に数えられているというものです。
江戸時代に、この地域に存在した弘前藩津軽家の大名屋敷では、火事を知らせる際に太鼓を打っていました。
しかし、幕府の定めでは、大名屋敷では火事の際には板木を鳴らすことになっていましたが、津軽家だけが太鼓を打っていたそうです。
これには特別な理由や幕府の許可があったのか、詳細は不明なのだそうです。
7、南割下水通り
現在、北斎通りと呼ばれる道路は、かつては南割下水という水路がありました。
この周辺では、消えずの行灯という現象が発生したと云われています。
蕎麦屋の屋台を見つけて近づくと、行灯だけが灯っていて誰もいない。
行灯の火を消して帰ろうとしてもなかなか火は消えず、無理に消した者は災いにあったといわれる現象です。
なお、逆に灯りなし蕎麦という、真っ暗な屋台が出現する怪異も発生していたそうです。
うーん、消えずの行灯と灯りなし蕎麦が組み合わさるとちょうど良くなりますね。
この通りは、江戸時代は水路だったんですね。
関東大震災の瓦礫処理のため、埋め立てられたとされています。
なお、北斎通りの名称のとおり、葛飾北斎の出生はこの周辺だったようです。
8、両国橋付近
特徴的なオブジェがある両国橋付近は、片葉の芦の発生エリアです。
片葉の芦は、次のようなお話になります。
ある女性に見向きもされなかった男性が逆上してその女性を殺害、片手片足を切り落として死体を掘りに捨てました。
それ以来、そこに生える芦は、葉が片方しかない、片葉のものになってしまったそうです。
こちらのお話、七不思議の中でも一番ショッキングなエピソードですねぇ。
なお科学的には、地形の影響による風の吹きかたでそのような芦が生えてしまったのではないかと考えられますが、当時はそれが不思議な現象として、七不思議に数えられていたのでしょう。
9、椎の木大名屋敷跡
本所七不思議(9個だけど)の最後に向かったのは、落葉なき椎の発生エリア、椎の木大名屋敷跡です。
こちらでは、かつて松浦家という大名の屋敷があり、庭に立派な椎の木が生えていたそうです。
この椎の木、葉が落ちてくるのを誰も見たことがなく、1枚も落ち葉がないということで、七不思議のひとつに数えられていました。
両国駅でゴール
合計9つの不思議発生スポットを巡ったので、両国駅でゴールにします!
JR錦糸町駅から始まり、周辺の七不思議スポットを巡り、お隣の両国駅へ。
実際に歩いた時間は、およそ2時間半から3時間ぐらいでした。
なので、駅周辺でお昼を食べたあとに探索開始しても、夕方には完了できる印象です。
ただ、あまり遅くなって夜になると、現代でも怪奇現象を目撃してしまうかもしれないので、気を付けてくださいね…。
所在地等
所在地(錦糸町駅) 東京都墨田区江東橋3-14-6
アクセス他