鶴岡八幡宮の境内に鎮座する、旗上弁財天社(はたあげべんざいてんしゃ)の紹介です。旗上弁財天社は源氏の繁栄を願って作られた源氏池に鎮座しています。また、社殿後ろの政子石は、縁結び・安産祈願の御利益があるとされる人気スポットです。
御由緒
旗上弁財天社は、鶴岡八幡宮の境内に鎮座していますが、その創建は次のような御由緒があります。
治承4年(1180年)、源頼朝公は鶴岡八幡宮を創建し平家討伐の本拠としました。
その妻、北条政子は平家滅亡を願い、寿永元年(1182年)に大庭景義に命じて鶴岡八幡宮の境内に東西に分かれた池を作らせ、東側の源氏池には3つの島を配置し、西の平家池には4つの島を配置させました。
源氏池の3島は、3=産として縁起の良いものとの意味を込め、平家池の4島は4=死として平家滅亡を祈願した意味が込められてるそうです。
そして東側の源氏池の中にある島にお社を造り弁財天を祀ったのが、旗上弁財天社の始まりです。
しかし、弁財天信仰は仏教要素が強いため、明治初年の神仏分離の際に、境内にあった他のお堂や塔とともに一度は撤去されてしまいます。
その後、昭和31年になると信仰心の篤い方々の願いにより再興され、昭和55年には、鶴岡八幡宮創建800年を記念して、江戸末期の古図に基づいた社殿が復元されました。
御祭神
御祭神の弁財天は、もともとはインド神話の女神でしたが、仏教にとりいれられ、技芸や財福、知恵の御利益があるとされ、日本では、日本神話の市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)と同じ存在だと考えられています。
弁財天信仰は、鎌倉時代にはすでに盛んで、芸能の霊神として信仰されていました。
また、こちらの旗上弁財天社は、鎌倉・江ノ島七福神めぐりの1つとなっています。
参拝記録
アクセス
鶴岡八幡宮の境内の旗上弁財天社は、鳥居をくぐって右側の源氏池にあります。
鳥居
源氏池には立派な参道があり、この先に弁財天社のお社があります。
参道や島の周囲には源氏の旗である白い旗が何本も奉納されています。
旗上弁財天社の社名は、平家討伐の旗上という意味か、もしくはこのたくさんの旗の様子にも由来するのかもしれませんね。
源氏池の様子です。
私が参拝した時は時期外れですが、夏場は蓮が水面を覆いつくします。
では、鳥居をくぐって参拝します。
社殿の上の藤棚は、時期になると源氏の色とされている白色の藤の花が咲くそうです。
弁天社の周囲では、季節によって梅や桜、藤などが咲くので、いつ参拝しても楽しめますね(冬はちょっと物悲しいかもしれませんが…)。
社殿
こちらが旗上弁財天社の社殿です。
昭和55年に江戸時代の古図をもとに再建したもので、鶴岡八幡宮の社殿と同様に朱色に塗られています。
よくみると社殿には、弁天様の彫刻がありました!
政子石
社殿の裏手には、政子石(姫石)と呼ばれる石があります。
こちらの2つ並んだ岩が、政子石です。
政子石は、源頼朝公が北条政子の安産を祈願したとされ、縁結び・夫婦円満・子宝安産の御利益があるといわれています。
政子石からの源氏池の眺めも風情があって良いですね。
社務所
お守りや御朱印はこちらの社務所でお受けできます。
弁財天の絵馬や、政子石のお守りもお受けできるようです。
旗上弁財天社は鎌倉江ノ島七福神のコースの1つとなっていて、色紙も用意されています。
色紙は2種類で、すでに七福神のお名前が印字されているもの(500円)と、イラストのみのもの(1,000円)があります。
さらに、各寺社で色紙にいただく御朱印は各500円(江島神社は300円)になっているそうです。
鎌倉・江の島 七福神めぐり - 鎌倉市観光協会 | 時を楽しむ、旅がある。~鎌倉観光公式ガイド~
御朱印
こちらが旗上弁財天社の御朱印です。
鶴岡八幡宮の御朱印と同じように、ひし形の中に社名が入った印でした。
所在地等(鶴岡八幡宮境内)
所在地 神奈川県鎌倉市雪ノ下1-8-31
アクセス他
- JR横須賀線・湘南新宿ライン「鎌倉駅」から徒歩10分
- 江ノ電「鎌倉駅」から徒歩10分
- 駐車場あり
- 電話番号 0467-22-0315