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倒伏から12年、鶴岡八幡宮境内【大銀杏】の今

かつて鶴岡八幡宮の石段の脇に存在していた、樹齢1000年といわれる大銀杏の紹介です。この大銀杏は平成22年春に倒伏してしまいましたが、処置を施されて現在でも生きています。また、幹の中間部はカフェ内部に展示されていて間近で見ることもできます。

 

鶴岡八幡宮の大銀杏

鶴岡八幡宮社殿前の長い石段脇には、高さは約30m樹齢はなんと1000年と云われる大きな銀杏(いちょう)の樹がたっていました。

樹齢1000年以上だとしたら、鎌倉幕府が成立するよりも前から存在していたこととなります。

鶴岡八幡宮を参拝したら誰もが見るシンボルとして親しまれ、昭和30年(1955年)には神奈川県の天然記念物に指定されていました。

しかし、この大銀杏には、そんなほほえましい歴史だけではなく、ダークな側面として、幕府2代源頼家の子である公暁(くぎょう)が、幕府3代将軍の源実朝を殺害するために樹に隠れて待ち伏せていたという伝説が残されています。

そのため、この大銀杏は隠れ銀杏という名でも呼ばれていました。

平成22年に倒伏

そんな様々な歴史のある大銀杏でしたが、平成22年(2010年)3月10日春の嵐によって、なんと根元から倒伏してしまいました…!

【2010年3月10日】

毎日新聞によると、3月10日未明神奈川県鎌倉市の鶴岡八幡宮で、樹齢1000年とされる大銀杏が根元から倒れているのが見つかった。けが人はなかった。同地では9日から強風が続いていた。

この大銀杏は鎌倉幕府の三代将軍、源実朝暗殺事件の「隠れ銀杏」として知られていた。1955年より神奈川県の天然記念物に指定された。

午前4時15分頃に警備員が3回ほど「ドンドン」という音を聞いていたが、この警備員は「積もった雪が落ちる音だと思った」と話しており、その後午前4時40分頃、様子を見に行くと大銀杏が倒れていたという。当時の最大瞬間風速は12メートルだった。

 

 ウィキニュースより引用

これはすさまじい…。

強風が直接の原因ですが、樹齢1000年ともなると、樹の内部もだいぶ弱っていたんでしょうか。

当時の写真を見る限り、処置を施しても助かる見込みは…、でも!

 

処置と再生

惜しくも倒伏してしまった大銀杏ですが、神社関係者や専門家によって適切な処置を施され、かつての姿のままとはいきませんが、現在もたくましく生きています!

地面に残った根からの成長

もともと大銀杏があった場所には、根が残されていて、注連縄で囲われて保護されています。

残った根は生きていて、新しい若木が成長するように処置がほどこされました。

根から新しく生えてきた枝が成長し、倒伏から12年たった令和4年(2022年)には立派な樹木となっています!

さらに数十年して、かつてのような巨木に成長してくれると嬉しいですね。

幹部分を移植

残った根からの再生を願うとともに、もとの大銀杏の隣に、倒伏した大銀杏の幹を輪切りにして移植も行っています。

根元から4mの部分で切断し、もとの場所から数m横に移動させて移植し、管理しています。
こちらも、根元に近い部分から新しい枝が出て成長しているようです。

倒伏した後の処置方法や、その後の保護してくださっている方のご苦労の賜物という部分も大きいと思いますが、やっぱり樹木の生命力はすさまじいな…。

大銀杏の幹を間近で見る

暴風でなぎ倒された大銀杏の幹ですが、先程の輪切りにして移植した部分の他に、鶴岡八幡宮境内の鶴岡ミュージアムのカフェ内にて、幹の中間部分が展示されています。

こちらの、向かって右側の建物がカフェになります。

左側の建物は、鎌倉の歴史や魅力を紹介する展示館となっています。

今は大河ドラマの特集展示を行っているんですね。

今回は時間と体力の関係で入場しませんでしたが、今度あらためて来てみようと思います。

訪れたのは3月で、朝っぱらから若宮大路の第一鳥居からずっと歩いてきたあとだったので、実はヘトヘトでした…。

壁面はガラス張りで近代的な造りながらも、その他は木材をメインに使用し、神社境内にあっても違和感がありませんね。

メニューはドリンクが中心ですが、ホットサンドといった軽食もあります。

店内はテーブル席で洋風ではありますが、外観同様、木の質感で落ち着いた雰囲気ですね。

そしてこちらがカフェ内展示されている幹の中間部です!

さずがに直に触れることはできませんが、すぐ間近で細部まで見ることができますよ。

大銀杏の説明書きも掲げられています。

こちらは幹の反対側です。

ちなみに私はコーヒーを注文し、幹がよく見える席でしばらく観賞しました。

神社の御神木が朽ちたり倒れたりして、今は残っていないということは幾度かありましたが、こうしてカフェに展示されて間近で見れるというのは貴重ですね。

 

所在地等(鶴岡ミュージアム)

所在地  神奈川県鎌倉市雪ノ下2-1-53

アクセス他

  • JR横須賀線・湘南新宿ライン「鎌倉駅」から徒歩10分
  • 江ノ電「鎌倉駅」から徒歩10分
  • 駐車場あり
  • 電話番号 0467-84-8993