今回は、群馬県吾妻郡嬬恋村の浅間山観音堂(あさまやまかんのんどう)の紹介です。浅間山観音堂は、浅間山の噴火によって出来た溶岩地帯という、他にはあまり例のないような場所に建てられた慰霊のための観音堂です。
浅間山観音堂の御由緒
浅間山観音堂は、群馬県嬬恋村の国立公園「鬼押出し園」内に鎮座する、浅間山噴火の罹災者への慰霊と自然への畏敬をもって、その平穏を祈願する道場です。
浅間山観音堂は、東京上野の寛永寺の別院という位置づけですが、これはこういったエピソードがあります。
江戸時代の天明3年(1783年)、浅間山が大噴火を起こし、多くの方が犠牲になりましたが、その際に最大の被害を受けたのが鎌原村(現在の嬬恋村の一部)でした。
鎌原村には寛永寺の末寺として延命寺という寺がありましたが、このお寺も噴火により埋没してしまいました。そのため、噴火罹災者を救済することを、その時の寬永寺住職である公延法親王が命じたと言われています。
こういった経緯もあって、昭和33年(1958年)、鬼押出し園内に寛永寺より聖観世音菩薩(しょうかんぜおんぼさつ)を迎え、浅間山観音堂が創建されました。
以来、あらゆる自然災害罹災者の慰霊と被災地の復興を祈願し続け今日に至ります。
観音堂は今年、平成30年でちょうど創建60周年を迎えています。
浅間山観音堂の宗派
浅間山観音堂は東京上野にある寛永寺の別院ですので、宗派や山号等は同じです。
- 宗派 天台宗
- 山号 東叡山
- 御本尊 聖観世音菩薩
浅間山観音堂の参拝写真
では、浅間山観音堂の各スポットの紹介です。
浅間山観音堂は、御由緒で書いたように、鬼押出し園という国立公園の中にあります。
鬼押出し園は、浅間山の噴火によって流れた溶岩地帯を国立公園としたものです。
ちなみに、そもそも「鬼押出し」って何か?というと、古くから浅間山には鬼が住んでいるという言い伝えがあり、その鬼が暴れて火口の溶岩を押し出したため、浅間山が噴火したんだと当時の人々が考えたため、いつしかそう呼ばれるようになったようです。
鬼押出し園入り口
こちらが鬼押出し園の入り口です。
鬼押出し園の入場料は、平成30年11月時点では、個人の場合は大人(中学生以上)は650円、小学生は450円、未就学児は無料です。
入り口ゲートをくぐると橋になっていて、その先には溶岩地帯が広がります。
こちらは展望レストランになっている、「鬼めしセンター」という食事処です。
浅間山観音堂には、表参道、裏参道の2コースから向かうこともできます。
今回は表参道を通って、観音堂を目指していきます。
惣門・参道
表参道は、こちらの惣門をくぐってスタートです。
惣門をくぐったあとは、溶岩に挟まれた参道を500mほど進みます。舗装されているので、歩きやすいですよ。
しかし、両脇が溶岩の参道も、かなり異質ですね…。
参道の途中には何箇所か、休憩所兼避難所があります。
観音堂がみえてきました、もう少しで到着ですね。
水盤舎
参道の途中には水盤舎(手水舎)がありました。
朱色の水盤舎は時折みかけますが、溶岩に囲まれた場所にあると、ことのほか目をひきますね。
こちらから出ている地下水は飲めるそうです。
でも、もし、万が一、仮に腹痛とか起きちゃうと旅行先ではマズイなーと思ったので、今回は飲まないでおきました。
案内板がありました。観音堂はここを右折ですね。
なお、観音堂とは逆方面ですが、炎観音と呼ばれる観音様が祀られている場所があり、実際に参拝したのですが、なぜか写真を撮り忘れるという失態…。
案内板から右折するとすぐに茶店があり、観音堂までもうすぐです。
鐘楼堂
立派な鐘楼堂もありました。鐘楼堂の後ろにみえるのが浅間山です。
浅間山って、普段から噴煙がでてるものなんですかね、ちょっとびっくりしました…。
惣門から鐘楼堂まで歩いてきた道をみると、さきほどの水盤舎が見えます。
こちらの橋を渡ると本堂や授与所に到着です。
授与所
こちらは浅間山観音堂の授与所です。
御朱印はこちらでお受けできました。
授与所近くには常香炉がありましたので、お線香を購入してお供えしました。
よく見ると、炉を支えているのは鬼のようですね。実は、撮影した当初は気づかず、いままとめていて気がつきました…。
本堂
こちらが浅間山観音堂の本堂です。
本堂も、きれいな朱色ですね。この数年のうちに、塗り直したりしたんでしょうか?
本堂からも浅間山が見えます。水盤舎や鐘楼堂よりも高台にあるので、よりはっきりと見えますね。
本堂向かって右側は見晴台になっていて、遠くの山々まで見渡せます。
裏参道
観音堂への参拝を終え、帰りは裏参道を通ってみました。
裏参道からは本堂の裏側も見えます。
裏参道も、表参道と同じように溶岩に囲まれた道を歩きます。距離は裏参道のほうが少し短めだったと思います。
浅間山観音堂の御朱印
こちらが浅間山観音堂の御朱印です。
創建60周年ということで、その旨の判も押されていました。
御朱印をいただいた際のはさみ紙はこのようなデザインでした。
うっかり撮影し忘れた炎観音がデザインされていました。
浅間山観音堂の所在地・アクセス
所在地 群馬県吾妻郡嬬恋村1053
アクセス
電車の場合
- 北陸新幹線「軽井沢駅」からバス乗車約40分
- しなの鉄道「中軽井沢駅」からバス乗車約30分
- 吾妻線「万座・鹿沢口駅」からバス乗車約25分
自動車の場合
- 上信越自動車道「碓氷軽井沢IC」から鬼押ハイウェー経由で約30km
- 上信越自動車道「小諸IC」から鬼押ハイウェー経由で約35km
私は軽井沢駅からバスに乗り、癒やしスポットとして人気の白糸の滝を経由して鬼押出し園、浅間山観音堂へ向かいました。
しかし、白糸の滝から鬼押出し園へ直通できるバスはなかったので、一旦、峰の茶屋というバス停で乗り換えて向かう形になりました。
峰の茶屋は名前の通り、バス停付近に食事処があり休憩もできますが、乗り換えバスが来るまで1時間ほどタイムロスしてしまいました…。
やっぱり車の運転ができたほうがいいなぁ…、旅行先でレンタカー借りたら便利ですよね。
以上、群馬県嬬恋村の浅間山観音堂の紹介でした。慰霊のための観音堂ということもあり、いつもより心を静めて参拝しました。そのためか、ブログ文章も若干落ち着いた感じの文体になっています。文末に「w」とか使いませんでしたね。
浅間山観音堂は、溶岩地帯にあるお堂、しかもかなり立派な造りというのは、他にはなかなか見られない、異質な部類ではないでしょうか?
普段は東京神奈川の寺社を中心に巡っていますが、こういった寺社は見たことも聞いたこともないです。
溶岩といって思いつくのは、「溶岩石でつくった富士塚がありますよ」ぐらいですね。
また、私の参拝した11月ころは時期ではなかったのですが、初夏から夏にかけては多くの高山植物を見ることができるそうです。
軽井沢、群馬へ旅行の際には、目的地の1つに含めてプランをたててみてもいいと思います。