今回は東京都稲城市にある穴澤天神社(あなざわてんじんじゃ)へ参拝してきたので紹介していきたいと思います。穴澤天神社は京王よみうりランド駅の近くに鎮座し、東京の名湧水にも選ばれた湧水である、御神水を有しています。
穴澤天神社の御由緒
穴澤天神社は、日本の第六代目の天皇である孝安天皇の時代に創建されたという記録があります(新編武蔵風土記稿という書物によります)。
孝安天皇の時代が歴史上どれぐらいの時期なのか調べてみましたが、なんと縄文時代頃のようです。
元禄7年(1694)に新たな社殿が造営された際、菅原道真公を合祀しました。
菅原道真公は学問の神として有名ですね。
さらに大正7年には、同じ村内に鎮座していた国安神社の大己貴命を合祀して、縁結び、開運の神として以後崇敬されています。
なお、穴澤天神社は、延長5年(927年)にまとめられた延喜式神明帳に記されている古社で、多摩八社の内の一社であり、明治6年に郷社(神社の社格のひとつ)に指定されています。
また、穴澤天神社の社号の由来はこのようなものです。
穴澤天神社は小高い山の中腹にありますが、すぐ眼下には三沢川という川が流れており、かつてはその三沢川沿いの境内下には横穴の岩窟がありました。
昔の岩窟は崩れ落ちてしまい、現在は二度目の洞穴に変わりましたが、この岩窟・洞穴が、「穴澤」の由来となっています。
この二度目の洞穴には、様々な神仏の石像を安置した跡が今現在残っており、明治4年神仏分離の際、神仏の石像は近隣に鎮座する威光寺というお寺に移されて、それ以後はその洞窟を辨天洞窟と呼んでいます。
穴澤天神社の御祭神・ご利益
御祭神
- 少彦名命(すくなひこなのみこと)
- 菅原道真公
- 大己貴命(おおなむちのみこと)
穴澤天神社の主祭神は少彦名命で、少彦名命は人民に医療法や造酒の術を授け、特に薬の神から健康増進の神として敬われています。
そこから加えて、御由緒にもあるように菅原道真公、大己貴命が合祀されるようになりました。
ご利益
御祭神から考えると、少彦名命の健康増進、道真公の学問、大己貴命の縁結びなどがご利益として挙げられそうです。
穴澤天神社の境内写真
私は、京王よみうりランド駅から穴澤天神社へ向かいました。
京王よみうりランド駅から5分ほど歩くと、神社入口の案内板がありました。
こちらは西参道から入るルートになります。
舗装された道をしばらく進みます。
鳥居が見えてきました!
鳥居の手前には末社の神明神社と山王神社があったので、参拝してから先に進みます。
末社のすぐ横には下へ降りる階段がありました。
穴澤天神社には弁財天も祀られていて、そちらにはこの階段からも行けるようです。
戦争戦没者の慰霊碑がありました。
こちらが穴澤天神社の鳥居ですね。
鳥居から進んで右側に手水舎がありました。
龍の吐水口でした。苔や植物が茂っている、珍しいタイプですね。
狛犬の間を通り、拝殿へ向かいます。
こちらが穴澤天神社の拝殿です!
私は、神社の参拝の際に時々は拝殿の後ろまでまわってみることがあります。
だいたいは何も無い場合が多いのですが、まれに小さな祠を見つけたりすることもありますからね。
今回も後ろにまわれそうだったので進んでみたところ、思いがけない景色が…!
これは、山が崩落した跡ですかね…。
「穴澤」の由来ともなった、崩れてしまった岩窟はもしかしてこのあたり…?
さすがに降りていったらマズいというか上がってこれないので、境内に戻りますw
拝殿裏手から戻ってきて、境内の散策開始です。
穴澤天神社では、稲荷社も末社として祀っています。
こちらは筆塚です。書道家の供養塔としての意味合いをもっています。
筆塚の横には社務所がありました。御朱印やお守りはこちらでお受けできます。
さらに横には神楽殿と参集所も並んでいます。
ちなみに参集所というのは、結婚式の控室や、神社関係者の集まりで使われる建物です。
一通り境内をみてまわったので、鳥居のほうへ戻り、階段から湧き水と弁天様のほうへ向かいました。
穴澤天神社の境内へ向かうには、私の歩いた西参道からのルートの他にも数通りあるようなので紹介しますね。
まず、西参道ルートの入り口を通り過ぎ、さらに川を越えたところにある、表参道ルート。本来はこちらが正式な参拝ルートのようですね。
表参道から参拝するルートは、鳥居をくぐってすぐにけっこうな段数の階段があります。
さらに、弁天様と湧き水近くの鳥居から入るルートもあります。
最後に、このルートはちょっとレベル高い…!
多摩自然遊歩道を通り、小澤城址(おざわじょうあと)から向かうルートです。
境内にある階段から出入りするルートなんですが、完全に山道ルートですからね。
歩きにくい靴や、虫にさされかねない服装の場合はやめたほうがいいですね…。
私はこの日の午前中に多摩遊歩道散策していて小澤城址も通りましたが、けっこう虫が飛んでました…(蜂らしいのも見かけました)。
複数のルートがある中でオススメとしては、入るときは弁天様近くの鳥居ルート、参拝後は表参道の鳥居からでるルートがいいと思いました。
穴澤天神社は湧き水が注目スポットなので、ぜひとも見ていただきたいです。
ちなみに私が歩いた西参道ルートは、階段や急な傾斜も無くラクですが、あんまり面白いスポットは無かったですw
穴澤天神社の御神老木
階段降りて湧き水方面に行く前にもう一つ注目スポットの紹介を。
穴澤天神社の境内では、御神老木として巨大な木の根を祀ってます。
これは、昭和58年に神輿庫を建設する際に地盤から発見されたもので、調査の結果、穴澤天神社に昔から伝わっていた樹齢一千年有余の御神木であることがわかりました。
神輿会の有志の皆さんの活動により、この巨大な根を掘り起こし、神社の歴史を語る宝物として境内に祀られることとなりました。
こういうお話、いいですよねぇ…。
現存しないものの昔から語り継がれてきたものが、現代に偶然にも発見されるなんて、ロマンがありますね。
古代文明の発掘調査のテレビ番組は私は大好きで、放送してるとついつい観ちゃいますね。徳川埋蔵金とか、本当に有るなら見つかってほしいです。
穴澤天神社の御神水
穴澤天神社の御神水とされる湧き水の紹介です。
こちらの御神水は、無病息災と長寿のご利益があるとされ、また、東京都が選定した「東京の名湧水」のひとつでもあります。
飲料水とする場合には必ず煮沸するように注意書きがありますが、私の後から来られたご家族連れが、思いっきり飲んでるような感じでした。
大丈夫だったかな…。
御神水のすぐ近くには辯財天様が祀られており、さらには穴澤天神社の社号の由来ともなった洞穴があります。
この洞穴は、足元はぬかるんでいるものの、中に立ち入ることもできるようです。
入口付近まで進んでみましたが、奥に祠のようなものが見えましたよ。
穴澤天神社の御朱印
穴澤天神社の御朱印はこちらです。300円でお受けしました。
穴澤天神社の所在地・アクセス
所在地 東京都稲城市矢野口3292番地
アクセス
- 京王線「京王よみうりランド駅」から徒歩5分
境内には駐車できるスペースがありました。西参道側から入ることができそうです。
穴澤天神社の紹介でした!
参拝当日は5月としてはかなり暑い日だったんですが、御神水である湧水の近くはひんやりしていて心地よかったです。
穴澤天神社は湧水の他にも、御神老木や拝殿裏手の山崩れ跡など、興味をひかれるスポットがありました。
立ち入り禁止等の注意書きはなかったものの、山崩れの跡を見る時は、足元に十分注意してくださいね!