今回は原宿の東郷神社(とうごうじんじゃ)を紹介します!東郷神社は海軍将校の東郷平八郎を祀る神社です。東郷神社は、多くの若者や観光客で賑わう、原宿竹下通りに隣接しています。それもあって騒がしいかと思いきやそんなことはなく、海軍将校を祀る風格のある、落ち着いた神社でした。
御祭神
今回は御祭神の紹介からはじめます!
東郷神社の御祭神は明治・大正・昭和時代の海軍軍人、東郷平八郎(とうごうへいはちろう)元帥です。
御祭神としてお奉りするにあたって、東郷平八郎命と呼ばれています。
東郷平八郎命は、日露戦争で日本軍を勝利に導いた英雄です。
中学や高校の歴史の授業でもそのお名前がでてきた記憶があります。
東郷神社 公式ホームページより引用
THE軍人というたたずまいですね。軍服に数多く飾られた勲章が、その功績を物語っています。
東郷平八郎命は、19歳で薩摩藩海軍に入り、前後の海戦に参加、24歳のときにはイギリス留学し7年間の訓練の末、船乗りに必要な知識、技術、海軍魂を培って帰国、立派な日本海軍の士官になりました。
東郷平八郎命の名は日清戦争中の国際問題処理などで有名になりましたが、さらに世界に名を轟かせた出来事が日露戦争でした。
東郷平八郎命は日露戦争の際には連合艦隊司令長官として戦艦「三笠」に搭乗、ロシア軍艦隊を撃滅しました。
これは、大国ロシアに島国の日本が勝利するという、当時の軍事力としてはありえない結末だったそうです。
しかも日本海軍にはほとんど被害が出ず、逆にロシア軍は全滅状態だったとか…。
また、このときの東郷平八郎命は戦艦三笠の艦上にZ旗(ぜっとき)と呼ばれる国際信号旗を掲げました。
本来のZ旗の示す意味は別の意味があるのですが、このとき東郷平八郎命が掲げたZ旗には、「皇国の興廃此の一戦に在り、各員一層奮励努力せよ」の意味が込められていたそうです。
Z旗は、境内ののぼり旗や社殿など、多くの場所に掲げられていました。
大正時代になると東郷平八郎命は元帥府(天皇の軍事部門の最高顧問集団)に加わり、さらに昭和天皇の教育を役割を担ったそうです。
なお、東郷神社の社殿を囲む塀には、東郷平八郎が海軍に入った頃から、昭和天皇の教育をされた頃までの生涯を紹介したイラストが掲げられています。
御由緒
東郷神社は、東郷平八郎命が天寿を全うされた際、神社にお祀りしてほしいとの要望が全国各地から海軍省に届いたそうです。
この熱意に応え、その時の海軍大臣は各界の識者に意見を求め、財団法人東郷元帥記念会を設立、全国民に呼びかけて国民からの浄財によって神社を創建することとなりました。
参拝記録
鳥居
原宿駅から徒歩約5分、東郷神社の鳥居に到着!
東郷神社の鳥居、表参道は、明治通り沿いにあります。
竹下通り沿いにも鳥居があり、そちら側からも境内に入ることができます。
石製の社号標、大きくて目立ちますね。
鳥居の手前には戦艦三笠の姿が映る石版があります。
東郷神社の境内案内図もあったので、参拝開始前によく見ておきましょう!
神門から先、社殿周辺はそれほど広くはないんですが、神池や石碑なども含めて隅々まで堪能しようとすると、わりと移動距離がありそうですね。
鳥居は木製ですね。くぐって先へ進みます。
神池
鳥居をくぐってしばらく進むと、神池があります。
神池は橋がかかっていて、桜や鯉を見て楽しみながら渡ることができました。
神池から見える大きな建物は東郷記念館といい、結婚式場として利用されています。
神池の橋にあるこちらの鳥居は、水交神社の鳥居です。
普通、鳥居があったら奥に社殿があるじゃないですか?でもこちらは鳥居だけが立っているのみでした。
鳥居の由緒が書かれた案内板があったのでざっくり要約してみます。
こちらの鳥居がたっていた水交神社は、築地にあった海軍用地(旧築地市場)にあった神社だったようです。
水交神社は日清戦争の際、海軍の勝利を祈願し全国から寄せられた神符や護符を奉り、また同戦役以後の戦没者の霊を合祀するために創建された神社で、最初の鳥居は戦利品の魚雷を使って作られた異形のものだったので、昭和44年にこちらのポピュラーな神明鳥居に替えたそうです。
水交神社とその鳥居は、関東大震災の被害をまぬがれ、数度の移転を経て、昭和56年6月、海軍に由縁深い東郷神社に奉納されるようになったそうです。
なお、社殿は東京大空襲で被害にあったため、残っていないとのこと。
いまは鳥居だけになってしまいましたが、海軍の歴史を語る上では重要な神社だったようですね。
それにしても、戦利品の魚雷を使って作られた鳥居って…勝利アピールしすぎでは…。
水交神社の鳥居の脇には階段があり、ここから東郷神社の社殿周辺へ向かうことができます。
階段をのぼったところには狛犬。やたらとカクカクしていますね。
テレビゲームのバーチャ◯ァイター1のキャラみたい…w
神門
神池を渡った先、ついに神門が見えました!ここをくぐるとすぐ社殿ですがその前に…
そう、手水ですね!こちらが東郷神社の手水舎です。
こちらが手水鉢ですが、ちょっとめずらしい形ですね。
なんと吐水口がひょうたんでしたw
なぜひょうたんなのか、なにか説明書がないかと探してみましたが、見当たらず…。
では、神門をくぐって拝殿へ向かいます!
扉には立派な紋のレリーフがありました。
こちらは東郷家の家紋のツタの葉と、天皇・皇室を表す菊の御紋を組み合わせたものですね。
有名な戦艦大和をはじめ、海軍の軍艦には菊の御紋がついている艦があったんだそうです。
拝殿周辺
神門をくぐり、こちらが拝殿の正面です!
神門から先は広くないものの、神聖な雰囲気を感じますね。
こちらの社殿は、昭和39年に再建されたもので、神明造を基調としたコンクリート製です。以前の社殿は空爆で焼失してしまったのだそう。
社殿の手前の狛犬は、筋肉隆々、力強いマッチョタイプですね。
お賽銭箱にはツタの葉をあしらった東郷家の紋がありました。
神聖な雰囲気を味わっていたんですが、ふと社殿を背にして振り返ると高いビルがあり、ここが原宿の繁華街に隣接していることを思い出しました…。
神門入って左側には授与所があり、お守り等はこちらでいただけます。
反対側、神門の右側にはおみくじコーナーがありました。
数種類あるうち、金勝おみくじというのが気になったのでひいてみました!
おみくじと縁起物の小さなアクセサリーが入っているものですね。
どれどれ…、アクセサリーはタヌキ(金運)と軍配(勝運)でした!ってタヌキってwww
肝心のおみくじは、大吉!やったぜ!
海の宮
神門の中には東郷神社のほか、海の宮という神社が鎮座しています。
海の宮は、海軍、海事、水産関係者の霊を祀るため、昭和47年に創建されたものです。
社務所
社殿向かって左側に社務所があり、御朱印はこちらでいただけます。
ちなみに東郷神社ではハローキティのお守りや御朱印帳も用意されています。
キティさんのお守りをおっさんがお受けするのはちょっとだけ勇気がいるかも…。
しかし、これだけ海軍の英雄、東郷平八郎命の活躍を前面に押し出した神社なのに、なぜイメージ真逆のハローキティとコラボしているんでしょうか?
まぁたしかに、キティさんもキャラクター業界ではいつの時代も大人気の英雄と言っても過言ではないですがw
社務所は中に入ることができました。
中には、東郷平八郎命の銅像、東郷平八郎命へ送られた書状などが展示されていました。
石碑
神門から出て、その他のスポットも見てまわります。
こちらは海軍特年兵の碑です。
海軍特年兵という制度があり、当時の志願年齢は15歳以上からだったのですが、中堅幹部養成のため14歳の少年から志願者を採用するというものでした。
この制度で志願した特年兵は何千人も命を落としたとされ、その若い特年兵の慰霊碑となっています。
こちらは潜水艦殉国碑です。
こちらの石碑は潜水艦乗組員へ捧げた碑文と、
中央に「殉国」の文字が刻まれた、潜水艦断面図を型どった碑が並んでいます。
御朱印
こちらが東郷神社の御朱印です。社務所でいただくことができました。
ちなみにハローキティ御朱印帳をこちらの社務所で購入して御朱印をいただく場合には、ハローキティのリボンのスタンプを追加で押していただけるそうですよ。
はさみ紙は御由緒などが記載された特別製です。
所在地・アクセス
所在地 東京都渋谷区神宮前1-5-3
アクセス
- JR線「原宿駅」竹下口から徒歩3分
- 東京メトロ千代田線・副都心線「明治神宮前(原宿)」5番出口から徒歩5分
東京都渋谷区、原宿竹下通りに隣接して鎮座する、東郷神社の紹介でした!
東郷神社は竹下通りに隣接していますが、敷地内はとても静かで落ち着いています。
竹下通りの喧騒に疲れたときに休憩もかねて東郷神社の参拝し、癒やされるのも良いかなーと思います。
それと、お守りや御朱印帳にキティさんコラボのデザインのものがあるので、ハローキティファンにもおすすめですね!
東郷神社では御祭神である東郷平八郎命の生涯や功績を詳細に知ることができました。
また、Z旗の意味についても知ることが出来たのが私としては嬉しかったポイントです。
私が遊んでいるブラウザゲーム「艦隊これくしょん」というゲームにもZ旗をあしらったアイテムがあり、どういう意味合いがあるのかよくわかっておらず、漠然と「まぁ、なんか海軍関係なのかなぁ」ぐらいの浅~い知識でいましたw
ゲーム内のZ旗にも、本来の国際信号旗の示す意味ではなく、東郷平八郎命が示した戦意高揚の意味を込めているんでしょう。
これからはちゃんと意味をわかった上でゲームをプレイできますw